愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の展示内容にテロ予告や脅迫が相次ぎ、中止に追い込まれた問題で、菅義偉官房長官は5日の記者会見で「一般論で言えば、暴力や脅迫はあってはならないことだ」と述べた。
企画展では慰安婦を表現した少女像などを展示。芸術祭の実行委員会会長を務める大村秀章・愛知県知事の説明では、事務局には抗議の電話が殺到し、「撤去をしなければガソリン携行缶を持ってお邪魔する」とテロを示唆するファクスも届いたという。こうした行為について、菅氏は「一般論として、刑事事件として取り上げるものがあれば、捜査機関で適切に対応するものだと思う」と話した。
芸術祭は文化庁の助成事業。今後決定する補助金交付のあり方について、菅氏は2日の会見で「交付の決定にあたっては、事実関係を確認、精査して適切に対応したい」と話していた。この発言が、企画展の中止に影響したかと問われると、「まったくない。私は記者の質問にお答えしただけだ」と反論した。(安倍龍太郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル